20/07/25 山本由佳様 取材

気象予報士・防災士として活動されている山本由佳 様に取材させていただきました。

 

お伺いした質問内容は、以下の8です。

 

1.      気象学に興味を持ったきっかけ

2.      天気予報と防災を繋げようと思ったきっかけ

3.      サニーエンジェルスの活動はなぜ、お母さんを対象にしたのですか?

4.      環境防災総合政策研究機構での活動は具体的に何をしているのか

5.      お天気・防災講座で行った実験はどのような実験ですか?

6.      昨年の台風19号、今年の九州豪雨などでは高齢者の被災者が多かったです。私たちは、若い世代と高齢者の方が日頃からコミュニケーションを取り互いを認識し合うことでこうした被害を減らせるのではないかと考えておりますが、防災士である山本さんはどのようにお考えでしょうか?

7.      日本は自然災害がとても多いです。自然災害と共に生きるために、私たちがしなくてはならないこととは何ですか?

8.      防災をどこか他人事のように感じている人は多いと思うのですが、防災を身近に感じてもらうための取り組みなどは、何かしていますか?

 

1,気象学に興味を持ったきっかけ

 

元々、大学では化学を勉強していました。卒業後、エンジニアとして働いたのですが、仕事と家庭との両立が難しく、パートナーと相談し仕事を辞めました。退職後は、専業主婦として子育て中心の生活をしていました。

気象学に興味を持ったきっかけですが、真夏のある日、マンションで洗濯物を干していた時。真っ青な空に白い雲が浮かんでいたのがきれいで…そこで、小さい頃から雲とか空を見るのが好きだったことを思い出したんです。

すぐに気象予報士になろうと思いました。次の日には、問題集を買い必死に勉強しましたね。お金がかかるから予備校などには行かず、独学で勉強しました。独学で勉強するのは難しかったけど、気象の勉強が面白くて。謎が解けた喜びがあったので続けられました。

 

2. 天気予報と防災を繋げようと思ったきっかけ

 

気象の勉強してるうちに、防災情報は命を守るための情報だと真の目的に気づいたことがきっかけです。

一般の人に天気の不思議さと面白さ、身を守るために知っておいてほしいことを伝えたいという気持ちで繋げました。

 

3. サニーエンジェルスの活動はなぜ、お母さんを対象にしたのですか?

 

子供たちを危ない目に遭わせたくない」世の中のお母さんはそういう気持ちが強いと思い、アプローチしようと考え始めたのがサニーエンジェルスです。

また、子供の理科離れをなくすためにお母さん方にアプローチしました。

日本の家庭での意思決定は基本、お母さんが中心になることが多いという印象を持っています。そこで、お母さんを中心に動かすことが防災でも使えるのではないか?と思い、お母さんたちも参加できるように、と親子向け講座を中心に活動しました。

 

4. 環境防災総合政策研究機構での活動は具体的に何をしていますか?

 

防災に力を入れているNPO法人です。

防災のタイムラインの普及啓発活動をしています。

また、自治体の防災対応の手伝いや気象予報士として気象情報の支援、防災の計画をたてるお手伝い、ワークショップなどを行っています。

 

5. お天気・防災講座で行った実験はどのような実験ですか?

 

防災に関する実験は大掛かりなものが多いので、簡単な気象に関する実験をしています。

例えば、雲を作る実験や気圧の実験など

防災絡みだと風速のゲームがあります。

簡易型風速計を用意して、うちわで10秒間風を起こすと何メートルの風を作れると思いますか?

 

西川 10メートル!!!

小河 1メートル

横畠 じゃあ、2メートルで!

 

答えは…

10メートルを起こせることはなく、平均的には3メートルくらいなんです。

扇風機の強でさえ34メートルなんですよ。

実は、皆さんが思ってるより数字が小さくても風は強いんです。

例えば、10メートルは傘がさせないくらいの風で、78メートルで歩くのがしんどいくらいの風です。

数字が小さいからといって甘く見たらアウト!

車の時速でイメージしてしまう人が多いのですが、一秒間に空気の塊が進む距離が風速なので…

そう考えると数字が弱くても威力が強いのが想像しやすいと思います。

また、風速は3.6倍すると時速にできます。

例えば、10メートルを時速に直すと36キロ 大体、町中で走ってる車のスピードくらいになります。

台風は17メートル以上なので計算すると70キロくらい。 70キロだと高速並みのスピードになります。

 

6. 昨年の台風19号、今年の九州豪雨などでは高齢者の被災者が多かったです。私たちは、若い世代と高齢者の方が日頃からコミュニケーションを取り互いを認識し合うことでこうした被害を減らせるのではないかと考えておりますが、防災士である山本さんはどのようにお考えでしょうか?

 

高齢者は情報がとりにくいので、若い世代とコミュニケーションをとる場が必要だと思いますが、地方にはコミュニティがあっても都会にはありません。

ですので、そのような仕掛けが必要だと思っています。

また、世代間でお互いの違いを理解することが重要だと感じています。

 

7. 日本は自然災害がとても多いです。自然災害と共に生きるために、私たちがしなくてはならないこととは何ですか?

 

自然の脅威は圧倒的で防ぎようがないものですよね。

ですが、気象災害は起こるまで時間があるので、その時間を無駄にしないこと、2週間は自力で生きられるような準備や被災後のことをよく考えておくことなどが重要だと思います。

事前に準備できるのが気象災害なので、救えた命と失わなくて済んだ財産をなくさないように、きちんと情報をとりましょう。

 

8.      防災をどこか他人事のように感じている人は多いと思うのですが、防災を身近に感じてもらうための取り組みなどは、何かしていますか?

 

大丈夫だと考えてしまう気持ちは人間が自然と持っているものなので、それを乗り越えてもらうにはいろんなアプローチをしないといけないと感じています。

 防災を文化にするために、私は自分にできることとしてターゲットを絞って活動しています。 

 

 

 

山本由佳様 

ホームページ 

https://soracoco.com/